太極上段

 



 

 

不動の姿勢

           

用意の姿勢

           

           

連絡動作1

 右足を1歩前方に出し、つま先で回転しながら左方向を向くと同時に両手を交差させる(右手は左手の内側に入る)。

           

1.      左三戦立ち、左上段受け

 三戦立ちの踵を絞めながら上段を受ける。

           

2.      右前屈立ち、右上段正拳突き

 後ろ足の右足をまっすぐ前方に大きく踏み出し、右足前の前屈立ちになると同時に、右手上段の正拳突き。突きと踏み込みのタイミングは同時ではなく、一瞬足の方が早くなる。肩を流さず、腰は突きの方向に向けることが大切である。

 1から2は、慣れたら1挙動で前進する。

           

連絡動作2〜3

 突きの姿勢から右足を引きつけるようにして真後ろを向く。次の姿勢で右足前になるから、引きつけた右足は向き直った方向に向けるようにする。

 手は右手を上に左右を交差して、次の上段受けの準備をする。

           

           

3.      右足前三戦立ち上段受け

 2の姿勢から向きを変えて3で受けるまでは、敏速に行なう。しかし、立ち方が悪かったり、受け方が弱くては意味がない。

           

4.      左前屈立ち、上段正拳突き

 3の上段受けから1歩踏み込んで、上段に正拳突きを放つ。この動作は1から2までの動作とは逆の動作である。

           

連絡動作4〜5

 今度は左に回って受けの姿勢に入る。前に出ていた左足は、一度右足に引きつけてから前方に出す。

 両手は受けのために交差させる。

           

           

5.      左三戦立ち、左上段受け

 姿勢は1とまったく同じ。

           

6.      右前屈立ち、右上段正拳突き

 2と同じ姿勢だが、方向は正面である。

 5から6の突きの動作は、1から2への動作と同じ突き方であるが、後に続く7,8の突き動作と1組になる動作であるから、突きが決まった瞬間には再度踏み込む用意が必要である。

 ここまでは受けの次は突き、突きの次は受けの動作であったが、今度は突きの動作から同じく突きの姿勢に移る。大切な事は、6の頭の高さを変えずに7の突きを行なうことである。

           

7.      左前屈立ち、左上段正拳突き

           

8.      右前屈立ち、右上段正拳突き(気合)

 7から同じく8の突きの動作に入る。5で受けてから6,7,8と3本の前屈正拳突きを続けたことになる。 この3本目がタイキョク上段のポイントであるから、「エィッ!」と気合を入れる。

 3本の突きは全て同じ姿勢であるが、特に6から8までの頭の高さは全て一定させる。

           

連絡動作6

 3本目の突きの後は受けの動作であるが、後ろの左足を右の後ろを通って右側前方に置く。その時右足はつま先を支点にして踵をねじり、突きの方向、左側に向ける。

           

連絡動作7〜8

 図の線のように置かれた姿勢から、つま先で回転して向きを西側に向けて上段受けの姿勢を取る。

その時、すでに三戦立ちになっていなければならない。

           

           

9.      左三戦立ち、左上段受け

           

10.右前屈立ち、右上段正拳突き

           

連絡動作9〜10

 右足を引き付け、左足の後ろを通って左足踵と同じ線上の左側につま先で立つ。これは、2から3に移る時の連絡動作と同じである。

           

           

11.右三戦立ち、右上段受け

 完全に向きが逆で用意の姿勢から見て東側に向いている。右手の受けの姿勢を取る。

           

12.左前屈立ち、左上段正拳突き

           

連絡動作11

 続いて6から8の三本突きの方向、すなわち北側に戻る。左足を引きつけて北側に向け、左足前の三戦立ちの準備をする。

           

13.左三戦立ち、左上段受け

 (以下、図は連絡動作12まで、北より見た図)

           

14.右前屈立ち、右上段正拳突き

 再度三本突きに入るが、その1本目である。

           

15.左前屈立ち、左上段正拳突き

 2本目の突き

           

16.右前屈立ち、右上段正拳突き(気合)

 3本目の突き。8と同じように気合をかける。

 6,7,8の三本突きの時に、頭の移動が水平にならなければならないと述べたが、ここでも同じことがいえる。

           

連絡動作1213

 8から9の連絡動作と同じ形だが、16の北側から東側に変わる。(以下、南から見た図)

           

           

 

 

17.左三戦立ち、左上段受け

 1の受けと同じ受け方で、同じ演武線上にある。

           

18.右前屈立ち、右上段正拳突き

 1から2の突きと同じ動作である。

           

連絡動作14

 18の突きの後、右足を左足に引きつけて南側に向きを変える。

           

連絡動作15

 右三戦立ちと上段受けの用意をする。

           

19.右三戦立ち、右上段受け

 これはダイキョク上段最後の技であるから、今までのように突き技に入る前の受けと異なり、1呼吸おいてから次の連絡動作に入る。

           

連絡動作16

 両手を重ねて両足を閉じ、結び立ちになる。息吹は吸い。

           

連絡動作17

 重ねた手を回転させながら急所前方で止める。息吹は吐き。

           

結び立ち、気をつけの姿勢

 両手を左右わきに戻し、形の初めの態勢に戻る。呼吸を整え、礼をして形が終了する。

           

 

 

 タイキョク上段は、普及形で最初に練習する初歩的な、初心者用の形である。技は全て受けと突きと基本の立ち方で構成されている。受けは全て三戦立ち、突きは全て前屈立ちによる上段突きと定められた基本と基本移動の組み合わせである。

注意すべきことは移動の場合と同じであるが、基本移動は同じ立ち方で同じ技の繰り返しであるのに対して、形は異なった立ち方や技が入ってくるために、技のつなぎのところで中断したり動きが鈍くなりがちなので気をつける。

 この形は基本移動に合わせて構成されており移動形ともいえるので、単純ではあるが次の形を練習するのに大事な形である。

 タイキョクは上段の他に、受けが中段受け(横受け)、突きが中段になる“タイキョク中段”、受けが四股立ち45度下段払い(払い落とし)、突きが四股立ち45度中段突きの“タイキョク下段”がある。これらは基本的なものである。応用として掛け受けを使う“タイキョク掛け受け”、受けに猫足立ち回し受けを使う“タイキョク回し受け”がある。